アーティストに学ぶ思考の身のつけ方

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アーティストに学ぶ思考の身のつけ方

今回はアート思考の言葉のきっかけになったアーティストの活動にフォーカスし、一人一人がアーティストを目指すことで何が変わるのかお話したいと思います。

■アーティストは何を求めているか

世の中にアーティストと呼ばれる人はどんな人でしょう。すぐ思いつくのは画家だけでなくダンサーや小説家や歌手などでしょうか。そんなアーティストが目指しているものは、その人独自の個性が溢れ、他の誰もがそれまで想像できず圧倒される作品です。それは決して他の人の真似ではなく、また他の人も真似できないものです。同じものがないため、作品については最初から最後まで正解はありませんし、誰も正解を決めることはできません。

賞で評価される基準は「いかに人に衝撃や感動を与えたか」ですが、これはあくまでその時点での社会的な客観的判断です。ゴッホの絵も今でこそ高い評価を得ていますが、ゴッホが生きていた当時はほとんど評価されず、生前に売れた画は1枚きりだったとか。

しかしそれより作品について大事なことは「アーティスト自身が納得するかしないか」です。名声を得たり、それにより収入を得ることは必要ですが、アーティストが望むゴールとは違います。 人に認めてもらえても認めてもらえなくても、それに満足せず自己の追求をし続けるのがアーティストといえるでしょう。

■どのようにしてアーティストに近づくか

ところがそんなアーティストになるための方法論はありません。方法論ができた途端に誰かの真似をすることになるからです。アーティストになるために一番大事なことは、他者の意見をそぎ落としてでも自分の声に耳を傾けて「自分だけの思いを作品に込めて磨きあげる」ことになります。

ただし、どれだけ思いを込めて磨き上げてもそれを表現して人に見てもらわなければ貴方が何を考えているのか伝わりません。そして、そのためのアウトプットする手段については学ぶことは可能であり、方法論も多種多様に存在します。

例えば画家であればデッサンなどの描き方や画材毎の特性を学ぶことで自分の表現方法を豊かにすることができます。
ダンサーや歌手、演奏家も先人が見出した基礎のトレーニングをしっかり学ぶことで体や声の表現方法を豊かにすることができます。
アーティストとして表現をするために、まずは夢中で吸収できる方法論で腕を磨いておくことは最初の一歩として適当かもしれません。

そしてその次に身につけたスキルで自分の思いを表現していくのです。求められたものに応えられることは非常に素晴らしいことですが、これだけでは画家でいうと絵描き(Painter)でしかありません。アーティストになるには自分なりの思いを表現して他を凌駕する作品を創る必要があります。

例えばメーヘレンという画家は素晴らしい技術を持ちながらもフェルメールの絵画を精巧にまねをする贋作者でした。彼がこの技術で独自の画風を創り上げていれば素晴らしいアーティストとして名を遺したかもしれません。

■アーティストになるための壁はなにか

特にこれまで社会から用意された道を進むことを良しとされてきた人生を歩んできた人は、今度は正解のないアウトプットをすることを躊躇してしまう人が多いかもしれません。自分の考えがあっても、自分の考えが正解かどうかがわからないと不安になってしまうのです。

実はアーティストには誰でもなれます。というより一人ひとり考えが違うのですから本当は誰もがアーティストなのです。
ではアーティストと自信をもって言えない理由はなんでしょう?例えばこんなところでしょうか。

(1)表現するためのスキルが足りない
(2)表現する場がない
(3)表現したものに対する否定的な評価が怖い
(4)人にみせられるようなものはない

(1)について、「表現するスキルが足りない=アーティストになれない」ではありません。絵画の基礎も勉強していないアンリ・ルソーはそれでも自分の才能を信じて絵を描き続け、ピカソからも高い評価を得ています。

(2)について、文章で思いを伝えることから始めてみませんか。今の世の中、SNSをはじめとして表現する場はどこでも溢れています。書くというのはすなわち思考することです。ライティングすることはアート思考なのです。

(3)について、否定的な評価を受けたり評価されなくても、あくまで「貴方の考え」であり、貴方が考えた事を否定する権利は誰にもありません。少しずつでも自分の考えを発信することでアーティストとして成長しましょう。

(4)について、まず人にはない自分の個性を見つけてみましょう。そして小さくても色々な個性を人に伝えていくことで、社会に合わせられずに生きづらい人が「私もこれで良いんだ」と安心できる社会に繋がり、貴方の自信にもつながるのです。

■「幸せになる」はゴールではない

望む仕事に就くことも幸せ、好きな人と結ばれるのも幸せ、自分らしく生きることも幸せ、、、幸せは1つでもなければ終わりもありません。一つの幸せを手に入れたらまた次の幸せが欲しくなります。そうして一つ一つの小さな幸せを繋げ合わせて「幸せであり続ける」道を歩むことが人生において大事なことなのです。

ただし、貴方にとっての幸せかは貴方にしか見つけることができません。何が幸せか、何が自分らしさかを考え続けることが幸せであり続けることに繋がるのです。是非アーティストの想像力(アート思考)で唯一のアーティストになって幸せであり続ける人生を過ごしてください。

Satoko
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