なぜアート思考が必要か

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なぜアート思考が必要か

■今なぜアート思考が求められているのか

これからの時代、「アート思考」の考えが大変重要になってきます。それは何故でしょう。
これまで、企業は戦後のモノがない時代は少しでも多く、安くモノを提供してきました。その後、モノがひととおり生活を潤すようになると、人々はより良いモノを求め、私たちは先人の築いてきた知見を学び、スキルを高めて、より品質の良いものを作って世に送り出すようになりました。
そして今の時代、大量に素早く作るための技術はITの力によってどんどん発展していきましたが、品質をある程度高めてしまうと、人々は個性的なモノを求めるようになってきました。すると私たちも、これまでにないモノを創り出して提供しなければならなくなりました。しかも飽きられるスピードの速い時代で、です。
そうなると他社との差別化は技術からアイデアの時代に変わっていきます。これまで蓄えた知識や実績を積み上げてより良いものを提供しても人々は感動しなくなりました。
前例がないモノでアイデア勝負という明確な答えがない時代がやってきたのです。
そうなるとこれまでと違うやり方で変化していくしかありません。
そこで必要となるのが、「アート思考」の登場です。独創的な発想を得意とするアート思考により、人々にインパクトを与えるモノを創り出していけるのです。
ここでアート思考的な考えを持てないと、どうなるでしょう?自分の考えに自信が持てず、理論的根拠を求めたがり、前例がなければ動けず、すぐ答えや結論がでなければ不安になってしまいます。

今求められるイノベーションには、アート思考がより求められるようになってくるのです。

■アート思考とデザイン思考

思考には様々なタイプがありますが、ここで「デザイン思考」との違いを少しお話します。
近年、「デザイン思考」という言葉をよく聞くようになりました。これは求められたことに対してその本質を理解し、独自な発想を活かして解決策を考える思考になります。「アート思考」がWHYを問う思考であることに対して「デザイン思考」はHOWを掘り下げる思考になります。
「デザイン思考」が求められたことを実現する方法を考えることに対し、「アート思考」は求められていない、思いもつかない考えでインパクトを与えてしまう思考ということになります。
どちらがすごい、というわけではなく、立ち位置が違う、と考えて頂ければいいかと思います。
また機会があれば詳しく説明しますね。

■アートの活用事例紹介

そうはいっても、それこそ根拠のない「アート思考」って本当に役に立つのか、と考えるかもしれません。
その大切さにいち早く気づいている企業や人はアート思考を取り入れようとしています。
Facebookオフィスにはアート作品が溢れています。完成品だけでなく、アーティストがオフィス内にて絵を描いているのです。完成したアート作品だけでなく、その制作過程にあるアート作品も想像力が掻き立てられるから、という理由です。
ブリジストンやポーラ、ベネッセ、資生堂、損保ジャパン、サントリー等、多くの企業はたくさんの美術作品や美術館を持っています。アートから得られるモノにいち早く気づいていたからでしょう。
近年では、たとえばスタートトゥデイ代表取締役社長の前澤友作氏。この人のことを好きか嫌いかはさておき、彼は公益財団法人現代芸術振興財団の会長であり、フランス芸術文化勲章オフィシエを2018年に受章しています。アートコレクターであり、元ロックバンドのドラマーという経歴を持つ彼の話題性のある発言や行動は皆さんもご存知のところでしょう。

■MBAよりMFA

ちなみに経営陣だけの話ではありません。サラリーマンとして働く人々にもアート思考が求められる時代になってきています。
一昔前は、MBA(経営修士学)ホルダーが求められていましたが、今はMFA(美術学修士)ホルダーが注目を与えています。たくさんの知識を身につけている人が最強なのではないのです。これは、世の中がBtoBからBtoCとして消費者個人へ直接繋がるビジネスが増えてきており、一般消費者に数字で品質の高さや価格の安さを訴えても訴求力が無くなってきているのです。つまり論理力だけでは相手を説得できず、人々の購買判断は品質からデザイン、そして独創的なモノを求めるようになってきているのです。そのニーズに応えるためには、やはり「アート思考」が必須となります。

■「アート思考」が必須になる理由

これまでは「使えなくなるまで」だったモノの寿命が「飽きるまで」となり、どんどん短くなってきています。
しかも世の中の仕組みは選択肢が増え、どんどん複雑になっていきます。経営者として物事を判断するのに根拠を全て揃えきることは難しくなってきました。仮に根拠が揃えられたとしても、そもそもこれまでにないモノを提供するのですから判断材料はゼロです。
となると、これから経営者に必要となるのは「直感力」です。そのためには自分の考えや思いに常に素直に耳を傾け、自分を信じて決断をすることになるのです。そのためにはやはり「アート思考」が必要になります。
このように、特に起業家や経営陣にとっては、ビジネスのビジョンを描くのはアーティストが真っ白なキャンパスに絵を描くプロセスと同じなんです。ですから優れた経営者がアート思考を身につけるべく(教養を高める意味もあるのでしょうが)アートを身近に置いているのです。

Satoko
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