美術館に出かけましょう

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美術館に出かけましょう

さて、アート思考について少し学んだところで、そろそろ美術館に出かけてみませんか?

今回は一つの美術館を徹底的に取り上げてみますので興味が湧いたらご紹介した美術館や他の美術館で試してみて下さい。
ただ、最初のうちはアート思考が深まったかどうかは気にせず、まずは楽しんでください。

ちょうど本日6月11日より国立西洋美術館で「松方コレクション展」が始まりますのでこちらでご紹介します。有名な印象派絵画が目白押しですので、普通に人気の展覧会に行く、というスタンスでも楽しめるかと思います。
「日本人の若者に最高の絵を見せてやりたい」という思いから、印象派絵画をはじめ多くの名画を買い集め、国立西洋美術館を立ち上げた松方幸次郎のコレクションです。
オルセー美術館所蔵のゴッホ《アルルの寝室》は、もともと松方氏が所有していた絵画だという事実はご存知でしょうか。

■展覧会に行く前に

さて、「行く」と決めた時に皆さんはどうしてますか?普通は誰と行くか、チケットをどこで購入するか、くらいで展覧会の内容については当日のお楽しみにしている場合が多いのかと思います。

私の場合は遠足の準備のごとくワクワクしながら、まず公式HPから開催意図や推しの絵画についての解説等を確認するところから入ります。主催や協賛、協力がどこかというのも興味深いです。これらの団体はどういうメリットや思いから参加しているのだろうかと考えるのも楽しく、損保ジャパン日本興亜は何か所蔵している絵画を貸し出しているのか、日本航空は絵画の輸送に関係したのだろうけどそれだけかな等々、興味がつきません。

後はTVなどでは主催のNHKが放映するスペシャル番組 や、「美の巨人たち(テレビ東京)」や「日曜美術館(NHK)」でも特集されてくるのでそれを観て絵画に込められたメッセージを聴いてから展覧会に行くということも多いです。

私はこうやって少しずつ関連情報を集めながら絵画へのイメージを自分の中で膨らませていきます。集まった情報に対して「何故?本当?」と自問自答し、その答え合わせを展覧会の絵画と対峙した時に見つけ出してみよう、と思ったり。

ちなみに展覧会会場では音声ガイドもあります。最近は企画に合わせたBGMや声優さんによる解説になっているので、更に気持ちを高める助けになってくれるかもしれませんね。

■いつ行くのがいいか

ところで、展覧会の会期は結構長いため、いつ行こうか悩むところです。日程の決め方については、講演会等のイベントスケジュールになるべく合わせてみることをお勧めします。せっかくの企画に合わせた専門家によるお話が無料(チケット半券が必要)で90分も聴けるのですから。例えば今回であれば講演会として、

・「写真家ピエール・シュモフのカメラがとらえた松方コレクション」(6/11)
・「松方コレクション展と作品修復」(6/15)
・「印象派ブームわき起こる~第一次大戦直後の日本」(7/20)
・「松方コレクション 百年の流転」(9/7)

の他、展覧会の見どころや主な作品についての30分のスライドトーク(7/5、8/16、9/13)が実施されます。
知識より集中できる時間帯でゆっくり鑑賞したい人には、金曜日と土曜日の夜が9時まで開館していて人も少なめなのでお勧めの時間帯です。

■展覧会の後は

展覧展から出てきたら、そのまま常設展もみることができます。私は展覧会だけで頭が疲れてしまうのですが、国立西洋美術館は常設展も良い絵も多く、人も少ないのでクールダウンがてら訪れることがあります。

ちなみに常設展のお勧めの楽しみ方はボランティアスタッフによるギャラリートーク(第1・第3・第5土曜日と日曜日)です。常設展示室の作品5~7点を、初めての来館者にも気軽に楽しめるよう解説してくれます。どの作品が選ばれるか回によって違い、思わぬ切り口と絵画についての背景を学ぶことができ、少しずつ常設展示の作品にも愛着が出てきて、回数を重ねるごとに絵画たちとおしゃべりできるようになります。

絵画鑑賞後は、是非誰かと気になった絵画について感想を述べあってみてください。アート思考に必要なコミュニケーションが正にここで重要性を占めてきます。言葉にすることで自分の観た絵画に対する印象を腹落ちさせたり、他の人との違いに気づいたりできます。

ここで他の誰とも違う自分だけの意見というのがそのまま個性であり、とんがった個性をたくさん育てることがアート思考を鍛えることになるのです。

■information か inspiration か

アート思考のためには前提知識を入れずに直感で楽しむことも大事だと言われますし、私もそういう楽しみ方をすることもあります。しかし今回はあえて色々な知識を詰め込む方法をお伝えしました。事前知識を身につけることで相手(絵画や画家)からのコミュニケーションを受け、それに対して更にどんな思いが沸き起こるかを意識することができます。心配しなくても、事前にどれだけ知識を詰め込んでも絶対に絵画の前に立つと知らなかったことや更に新たな気づきを発見することができます。たくさんの人と会うことでコミュニケーション力が培われるように、是非たくさんの絵画を鑑賞してアートを楽しんでください。

Satoko
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