■アートとは
皆さんは、「アート」と聞いて何を思い浮かべますか?
「モナリザ」やピカソの書いた絵を思い浮かべたりしませんか?
実はこれらの絵は厳密には「アート」ではありません。
「アート」とは、今思い浮かべたような絵と自分自身の間に沸き起こる感情のコミュニケーションのことを言います。
ウィキペディアでもこのように述べています。
表現者あるいは表現物と、鑑賞者が相互に作用しあうことなどで、精神的・感覚的な変動を得ようとする活動
(出典:フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)の”芸術”より
■アート思考とは
さて、ではここで「アート思考」という言葉の登場です。
アート思考は、この表現対象との間で湧き上がってくる思考のことを指します。
他の誰の意見や考えも関係なく、あなたが感じた考え方なんです。
世の中のアーティストは、誰の真似をすることもなく独創的な世界観を作り上げます。
それは根拠は重要ではなく、インスピレーションから思い描くものです。
このようなアーティストがモノを作り出す思考が「アート思考」と呼ばれるようになりました。
■アート思考は「楽」になること
「アート思考」で考えることは決して難しいものではなく、むしろ貴方の気持ちを楽にする、楽しくするものです。
自分が何を考えているのかを、好き嫌いをきちんと受け止めるだけなのです。
ただ、「何も考えない」のとは少し違います。
「アート思考」をしっかりと身につけることで独創的な発想(インスピレーション)が湧いてくるのです。
■「アート思考」に必要なスキル
「アート思考」を身につけるために必要なことは、
(1)観察力
(2)批判的思考力
(3)表現力
(4)コミュニケーション力
などです。他にもいろいろありますがまずはこの辺りから簡単に説明しますね。
(1)観察力
アート思考には観察力が非常に大事です。
対象物を目にした時、ただ表面的なものだけを眺めても何も感じません。対象物をしっかりとつぶさにみることで色々なことに気づくことができるのです。
すると、そこから「何故こうなっているのだろう?」という疑問が湧いてきます。これが対象物と対話している(=アートという)ことになります。
(2)批判的思考力
誰かに「これはこうなんです」と説明を受けた時に、相手のいうことをそのまま真に受けるのではなく「え?どうして?」と感じることも大事です。相手を批判するということではなく、なぜそうなのか、をしっかりと自身に問うて腹落ちさせる力が必要です。
ちなみにこのスキルを磨くと、詐欺に騙されている時に違和感を感じたり、嘘に気付けたりしますよ。
(3)表現力
自分が感じたことを相手に伝えるスキルが必要になります。何をどう考えたのか、を表現することで自身のあいまいな考えを更にしっかりと整理することができます。その結果、更に疑問が湧いたり観察を深めたりすることができるようになります。それは言葉でもいいし歌でもいいし、絵に描いても構いません。自分の思いをアウトプットすることを意識して大事にしましょう。
(4)コミュニケーション力
対象物や人に対峙した時、相手が伝えたいことや表現したいことをしっかり受け止め、また自身の思いをうけとめたことをしっかり伝えられるようにして初めてコミュニケーションがとれたことになります。「言った」ではなく「伝わった」と感じることが大切です。
その結果、表現したことを相手にもきちんと受け止めてもらえ、より自己表現力も高まることでしょう。
アート思考は分解するとこういったスキルを備えていることになります。まずはどんな時も「自分」という軸はしっかりもつことを意識しましょう。
■誰でもアート思考に
このように書くと「アート思考」は特別な人だけに与えられた考え方と思うかもしれませんが、誰でもアート思考を鍛えられます。いえ、それ以前に誰しも「アート思考」は多かれ少なかれ持っています。
大人になるにつれて、様々なルールに縛られ自由な表現を制されるようになったことで、アート思考が鈍ってきているだけなのです。
アート思考を、これからでもしっかり身につけていくことは誰にでも可能です。
■試す価値あり
このブログを通してアート思考を磨く方法を少しずつお伝えしますので、是非試してみてください。
ただ、人によって馴染む方法もあれば、頑張っても身につかない方法もあります。それは一人ひとりの感じ方が違うからです。
なので、色々な方法や私自身の経験をたくさんお伝えしていくことで、興味のあるものや共感できるものが見つかれば是非試してください。また、日常の中で自身にとってやってみたくなる方法でアート思考を鍛えてみてください。
■今後について
今後は「アート思考の鍛え方」について具体的な話で伝えていきます。
私の趣味が絵画鑑賞なため、主に絵画鑑賞をとおしての経験を伝えることが多いですが、「絵を観る=アート思考を鍛える」というものではありません。対象はなんでも構いません。歌でも料理でも、好きなものや興味のあるものから少しずつ意識して頂ければ嬉しいです。